【授業レポート】一次関数の理解を深めるために細かい確認と修正・指導 [代表:宮谷] 昨日、ある中学3年生の生徒さんが、二次関数の理解を深めるために一次関数の学習に取り組みました。 二次関数の変化の割合は一次関数と同じ公式を使うため、どうしても一次関数の変化の割合の理解が必要なのです。 テスト対策授業・通常授業を通じて進めましたが、生徒さんは頑張ってはいるものの、自力で正答を導くことが難しく(たくさん質問はしてくれるのですが)、いくつかの課題が浮き彫りとなりました。 ① グラフの傾きの理解 一次関数は「右上がり」「右下がり」という二つの形があります。ところが生徒さんは、この「上がる」「下がる」という言葉に混乱し、うまくイメージをつかめませんでした。 「左右の違い」と「上下の違い」がごちゃまぜになってしまい、言葉でも図でも理解が進まなかったのです。 そこで実際に体を使って、右上や右下に手を伸ばしてもらいました。すると、身体感覚とグラフの向きが結びつき、ようやく納得できたようでした。 ② 切片の理解 切片とは、一次関数の直線がy軸と交わる点(x=0のときのy座標)です。ところが、生徒さんが解答すると毎回違う数字を出してきます。 どうしてそうなるのか理由を尋ねても、生徒さんはうまく自分の言葉説明できず、こちらも「困ったな」と思って観察したところ、ある“独自のルール”を信じていることが分かりました。 学校や参考書で習ったわけではなく、自分なりに作り出した間違えた方法を「正しい」と思い込んでいたのです。 一度強く信じた誤解を修正するのは簡単ではありません。なぜ間違っているのかを具体的に示し、納得してもらう必要がありました。 「◯◯君は、切片を恐らく・・・のように導き出していると思うけど、それは切片の値ではなく、△△からの距離なんだよ。」と、具体的にグラフを書いて何が間違えているのかを説明すると、「ずっとそうやっていた…。」とのことでした。 ③ 一次方程式の移項計算 一次方程式は中1から繰り返し練習してきた分野ですが、ここでも“独自解法”が定着してしまっていました。 正答率は低くても「自分のやり方」へのプライドがあり、標準的な解法を素直に受け入れられません。 しかし今回は、内申点に直結する大事な定期テスト直前です。まずは正答率を優先し、先生の指導通りの手順を模倣して取り組むよう伝えました。 一問ずつ式を書いて、それを書き写してもらう、しかし復習では、独自の解法に戻ってしまい間違う..、この繰り返しでしたが、根気強く修正してだんだんと形があうようになってきました。 【まとめ】 勉強が苦手になってしまっている生徒さんを「理解できる・自力で解ける」状態に導くには、細かい確認と声かけ、そして思い込みの修正が必要です。 今回の生徒さんは最終的に全てを自力で解けたわけではありません。次回以降も確認を重ね、さらにテスト範囲の二次方程式に取り組む必要があります。 残された時間は多くはありませんが、内申点に大きく影響するテストです。最後まで全力でサポートしていきます。 カテゴリー: セルモの教室長BLOG 忠生教室 教室のこと 木曽教室 鶴川教室 2025.09.16NEW