【成績をどう見るか】平均点より上ならOK?それとも…? [代表:宮谷]
定期テストの平均点が50点だったとします。
そして、ある生徒さんの得点が52点だったとしたら、これは「褒めてよい」のか、判断に迷う保護者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

最近では、平均点が30点台後半〜40点台前半のテストも珍しくありません。
そのため「平均より上だったからOK」と単純に考えてしまうと、仮に平均点が39点で、自分の得点が42点でも「自分はできた」と思い込んでしまう危険性があります。実際には半分以上間違えているわけなので、勉強は不十分だった可能性があります。

実際には、以下のような観点で判断する必要があります。
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■① テストの難易度
まず大切なのが、テストの難易度です。
難易度が高く、全体の平均点も低いテストであれば、「平均点より上を取れた」ということは一定の成果と評価して良いと思います。
一方で、比較的易しいテストで平均点に届かなかった場合は、むしろ危機感を持つべきです。

ただ、そのテストの難易度が高いか低いかを保護者さんが判断するのが難しい場合もあるので、その場合は各教室にテスト問題をご提出頂き、教室長に確認を取って頂ければと思います。
なお、これはなかなか是正されないのですが、同じ市内の公立中学校でも、先生により問題の難易度が全く異なります。
これは、全国各地で問題提起されていますが、下手すると全く難易度が異なる場合もあるので、少なくとも市区町村内では問題は共通にしたほうが良いと考えます。
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■② その教科に対するこれまでの取り組み
過去に苦手で低得点だった教科で、今回は大きく点数が伸びたということであれば、たとえ絶対点が高くなくても、それは大いに褒めるべき成果です。
例えば前回15点だった生徒さんが今回40点を取ったとしたら、2倍以上の得点アップです。

これは大きな進歩であり、本人の努力の賜物です。
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■③ 定期テストの時期・範囲
また、学期が進むほど、**テストの範囲外の内容(前学期以前の復習)**が出題される傾向が強くなります。
特に学年末や2学期後半になると、範囲表に書かれていない内容も含まれてきます。
このようなテストでの得点は、より広い学力が求められるため、単純な得点だけでは評価できない部分も多くなります。

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■④ 学習プロセスと保護者の関わり
昨日も、英語で80点中盤、社会でも80点弱という高得点を取れた中3生がいました。
得点だけを見れば「よく頑張った!」と言いたくなるところですが、ここに至るまでには多くの苦労とサポートがありました。
学習に身が入らない時期があり、やるべきことが期限までに終わらないことも。
そんな中、保護者様が粘り強く背中を押し、教室としても時間を取り、繰り返し指導を行い、ようやくテスト3〜4日前に本気になれました。
その結果、直前の仕上げが間に合わず、好成績だった科目がある一方で、「まずい状態」の教科も残っているようです。
生徒さんには、「次の期末テストは内申点を決定づける最終のテスト」であることを強く伝えました。
ギリギリの追い込みではなく、もっと前から計画的に取り組むこと。
そして、勉強の進め方そのものにも課題があるので、根本的な学習習慣の改善も必要であることも、しっかりと話しました。
返ってきた返答は「はい!もちろんです!」と元気いっぱいでしたが(笑)、今後も継続的に様子を見ていく必要があるでしょう。

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【まとめ】
成績は「得点」だけでは判断できません。
•その点数に至るまでのプロセス
•テストの難易度や出題傾向
•前回からの伸び幅
•本人の努力の質と量
など、多角的に観察し、適切にフィードバックしていくことが大切です。
そして、褒めるべき時はしっかり褒める。
指摘すべき時は、冷静に課題を示す。
その積み重ねが、生徒さんの次の成長に必ずつながります。
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