先週とある保護者様から「ディスカリキュア」についてご質問を受けたのと、

昨晩の授業終了後にSNS上で有識者4名による「勉強が苦手な子の勉強の意味」というテーマのスペース(誰でも参加出来るネット討論会)に、有識者の一人として登壇させて頂きました。そこでも話題にもなった「ディスカリキュア」について簡単に説明させて頂きます。
「算数が分からない」の奥にあるもの

〜ディスカリキュリア(算数障害)という可能性〜
学習塾を運営していると、「分数や小数の仕組みがまったく分からない」「3桁以上のわり算ができない」「平面図形と立体図形の区別がつかない」といった、小学校高学年〜中学生の生徒さんとお会いすることがあります。
中には、九九の後半が言えなかったり、「6×◯=54」の◯が分からなかったりと、算数に対して強い混乱を抱えている様子が見られます。
多くの場合、小学校2年生頃から算数に苦手意識を持ち始め、授業にも自信を持てなくなります。学校では授業中も静かに過ごし、45分間が過ぎ去るのをただ待っているだけ…という状況です。
一方で、学校の先生からは「そのうち分かるようになりますよ」「ご家庭でももう少し勉強してみてください」といったフィードバックを頂くことが多く、保護者様としては「そういうものなのか」と感じてしまうかもしれません。
しかし、学年が進んでも一向に改善せず、ご家庭で丁寧に教えても全く理解が深まらない。そんなときに「私たちの教え方が悪いのでは?」と不安になられ、当塾にご相談いただくケースが多くあります。
「ディスカリキュリア(算数障害)」の可能性について

学習塾では、入塾前に体験授業や簡単な確認テストを行うことが一般的です。そこで、私たちのような指導の専門家は、生徒さんの計算力や概念理解における違和感をすぐに感じ取ります。
あまりにも数字の操作や意味理解に困難が見られる場合、私たちは「ディスカリキュリア(算数障害)」の可能性を疑います。
もちろん、私たちは医療機関ではありませんので、正式な診断はできません。しかし、これまでの指導経験や数多くの事例と照らし合わせる中で、「何かが違う」と感じる瞬間があります。
※具体的な診断や診察は、専門機関の受診をお願いします。
大切なのは「やる気が無い」のではないという理解

このようなケースで大切なのは、「生徒さんにやる気が無いのではない」「怠けているわけではない」ということを、周囲が理解してあげることです。
・一時的に理解できても記憶に残らない
・覚えた知識を別の問題に応用できない
・根本的な数の概念が結びつかない
といった現象は、本人の意欲とは関係なく、脳の特性によって起こっている場合があります。
当塾では、話し方に配慮しつつ、こうした「発達面における特性」の可能性について、保護者様としっかりお話するようにしています。
ご家庭との連携と将来を見据えたサポート
実際にお話をすると、多くの保護者様が「やっぱりそうかもしれない」と受け止められます。また、最近では「実はすでに検査を受けています」という方も増えてきました。
検査をまだ受けていないご家庭には、医療機関での受診方法をお伝えしています。特に思春期のお子さんの場合、検査を伝える際の注意点についても丁寧にアドバイスいたします。
また、診断を受けた場合には、生徒さんの将来的な進学・受験における選択肢なども、保護者様と一緒に考えてまいります。
「今わからない」は「一生わからない」ではない





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