塾関係者にとって一番恐ろしい季節がやってきました。

それは、中学2年生の数学で「図形の証明問題」が出題される季節になったからです。

個人的には、この「図形の証明問題」は中学3年間の数学で一番難しい単元ではないかと思っています。

実際に、この図形の証明問題が出題範囲の中学校では、数学が10点以下の生徒さんが大量発生します。

実際に、鶴川教室の昨年の中学3年生が2年生だった時、数学の2学期期末テストが0点・1点・2点だった生徒さん達が、あまりの衝撃で入塾してくれました。

では、どれくらい難しいのか、例題を解きながら説明します。
長文となりますが、保護者様は是非この文章を読んで頂き、生徒さん達が如何に難しいことに取り組んでいるか、お感じ頂ければ幸いです。
今から説明する問題は、図形の証明問題の入門編にあたる問題です。
図形の証明問題の流れとして、
①基本的な三角形の合同条件を使った証明
②二等辺三角形の証明
③直角三角形の証明
④平行四辺形の証明
と、大まかに4段階で学習していきます。
上記の問題は①に該当します。
つまり、①の段階で図形の証明問題の学習を「難しい!」という理由で拒否した生徒さんは、必然的に②③④を勉強しないので大失点します。
また、先に言っておくと中学3年生でも「相似図形の証明」という問題が出題されるのと、都立の入試問題でも「証明問題」は高確率で出題されるので、避けて通ることは出来ません。
さて、実際にこの問題を解いてみます。
まず、図形の証明問題ですが、問題から「仮定条件」を導き出します。
仮定条件は、結論である△ABG≡△ADCのそれぞれの三角形の「辺や角」に関係する事柄で無いといけません。
問題を読むと、「∠Aが鋭角の△ABCの2辺AB、ACがそれぞれ一辺とする正方形ADEB 、ACFGを△ABCの外側につくる。」と書いています。
つまり仮定条件は、正方形の一辺はすべて同じ長さということから、
AB=AD ・・・①
AG=AC ・・・②
この2つは比較的簡単に導き出せます。
ところで、このAB=AD、AG=ACですが、例えばAB=DAやAG=CAと書いてしまうと駄目なのです。
図形の証明問題は仮定条件を書き出す際に、「対応する辺や角で答える」というルールがあるので、結論である△ABG≡△ADCのアルファベットの順番を見て解答しなければなりません。
具体的には、ABは△ABGの1番目と3番目のアルファベットになるので、△ADCからも同じ箇所であるADと書かないといけないのです。
この「対応する辺や角で答えるルール」も中学2年生の理解が難しいポイントです。
話を戻し、他には仮定条件は無いでしょうか?
正方形の特徴として、四つの角が直角=90度というのがあります。
△ABGを見てみると、∠BAGの一部として直角があります。
次に△ADCを見ると、同様に∠CADの一部に直角があります。
この2つの直角を∠BAG,∠CADから除いていみると、それぞれ∠BACとなります。
つまり∠BACは共通の角となるので、
∠BAG=∠CAD ・・・③
となります。
この①②③の3つの仮定条件より、△ABGと△ADCは「二組の辺とその間の角が同じ」となり、
三角形の合同条件の3つのうちの1つを満たします。
つまり、△ABG≡△ADCが成立します。
長々と流れを説明してきましたが、実際にテストで証明問題を解答する時は、以下のようにまとめていきます。
[証明]
△ABGと△ADCにおいて
仮定より、
AB=AD ・・・①
AG=AC ・・・②
次に、
∠BAG=∠CAG+∠BAC=90°+∠BAC
また、
∠DAC=∠BAD+∠BAC=90°+∠BAC
∠BACは共通な角であるので、
∠BAG=∠DAC ・・・③
①②③より、二組の辺とその間の角がそれぞれ等しいから
△ABG≡△ADC
以上となります。
これを穴埋め問題で出題する先生もいらっしゃれば、すべて解答させる先生もいます。





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